【EU】2025.04.10 発表
欧州環境庁(EEA)は、2050年の欧州の未来像を分析した報告書(注1)を公表した。
同年までに持続可能な社会を実現するためには、主要な生産・消費システム(食料、エネルギー、モビリティ、建造環境)を根本的に変える必要があり、政策対応を検討する上ではシステム全体を見渡した長期的な思考が不可欠だという。
EEAは、4つの未来像(注2)を仮想し、これらに沿って生産・消費システムのあり方を探り、可能性や課題等を洗い出すなどした。
この結果、4つの未来像すべてに通用する持続可能な社会への解決策も見えてきたとして、代替タンパク質源への移行、自然の活用、輸送の電化、既存の建物の再利用や改修、再生可能エネルギーシステムの拡大を例に挙げている。
また、生産・消費システムを変革し、将来起こり得る社会的な混乱に対する回復力を高めるには、協調的かつ先を見越したガバナンス、社会全体の関与と創造性、自然との繋がりや共感力、空間計画と多機能的な土地利用、AIとデジタル化、有事への備え、に関連して社会の能力を強化する必要があると報告している。
(注1)
「2050年の持続可能な欧州の姿を仮想する:社会の根幹をなす生産・消費システムへの影響を探る」
(注2)
1)公共の利益のためのテクノクラシー(国家主導の技術や専門知識を活用した政治で持続可能性を実現する)
2)逆境における結束(EU主導で厳格な規制を通じ、環境・経済危機に対処する)
3)環境負荷を伴わない経済成長
4)エコトピア(市民主体の環境保全を重視した社会)
【欧州環境庁】
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