【イギリス】2024.01.19 発表
イギリス気象庁は、2024年の大気中CO2濃度予測を発表、上昇の継続と1.5℃目標達成シナリオからの乖離を警告した。2024年の大気中CO2濃度は、2023年より2.84±0.54ppm上昇し、423.6±0.5ppmとなる。この上昇は、主として化石燃料の燃焼と土地利用の変化によるが、2023年半ばに発生したエルニーニョ現象も要因となっている。とくに熱帯域では、エルニーニョ現象がもたらす高温・少雨のため、植物の光合成が抑制されCO2吸収能力が低減、CO2放出が増加する。しかしエルニーニョの影響を差し引いても、2024年のCO2濃度上昇は、IPCC第6次評価報告書統合報告書の示す温暖化を1.5℃に抑えるための緩和シナリオ3つのうち、エネルギー需要削減重視シナリオの要求濃度を大きく上回り、他の2つ、再生可能エネルギー重視シナリオと持続可能な開発重視シナリオの要求濃度幅の上限にある。同庁は、1.5℃目標達成シナリオ上を進んでいけるかの瀬戸際にあるとしている。
【イギリス環境・食糧・農村地域省】
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