イギリス政府は、動物福祉行動計画の公約実現に向け、ペット窃盗に関する議員提出法案を支持すると発表した。同法案では犬や猫は財物とは異なり窃盗により不安や心的外傷を感じ得る存在であることを認識し、ペット窃盗罪に5年の懲役か罰金または両方を科すという。
ペット盗難タスクフォースによると、2020年に通報された犬の窃盗は約2,000件、猫の窃盗は400件超で、飼い主とペットの双方に著しい心痛を与えた。成人国民の28％が犬を、24％が猫を飼っていると推定され、ペットの窃盗は国民の大きな関心を集めている。今回の発表はペットを窃盗から守る広範な取組（ペットのマイクロチップ装着義務化等）をさらに強化するもので、迷子や盗まれたペットが容易に飼い主の元へ戻れるよう支援する。
イギリスは世界で初めて動物虐待罪を導入し、世界動物保護指数によるとG7の中で最高位にある。2021年の動物福祉行動計画の発表以来、同国は動物が感覚や感情を持っていることを認識する新たな法の導入、動物虐待の厳罰化、象牙取引禁止の対象拡大等を実施してきた。

【イギリス環境・食糧・農村地域省】