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[海外エコニュース一覧]

【研究機関】2023.10.12 発表

世界気象機関、気候変動による水文循環の変化に警鐘

世界気象機関(WMO)は、報告書「世界の水資源の状況2022」を発表した。気候変動による水文循環の変化で、水関連災害が多発し水安全保障リスクが上昇すると警告し、観測と対策へ向け体制整備を要請した。
前年に続き2022年も、世界の流域の50%以上で流量は平年値から大きく変動した。多くは平年より少雨だったが、平年より多雨の地域もある。欧州、アメリカ、南米、中国、アフリカの角は深刻な干ばつに見舞われた。欧州の冷却水不足による原子力発電所の停止をはじめ、多くの地域で生活や経済に大きな影響が出た。一方、ニジェール川流域とアフリカ南部、パキスタンのインダス川流域は大洪水に襲われた。
氷床・山岳氷河・陸水など主要な貯水場所の60%以上では、流入が平年以下か平年並みで、ヒマラヤやアルプスでは積雪面積の減少と氷河の融解が進んだ。アンデス山脈の亜熱帯域では2009年から積雪減少が続く。土壌水分と蒸発量も変化した。2023年に発生したエルニーニョ現象は、今後の水文循環に大きく影響するとみられる。
【世界気象機関】

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