【国際機関】2023.06.28 発表
世界気象機関(WMO)は、このほど「WMOオゾン・紫外線年報」を発刊し、2022年のオゾン層はゆるやかな回復傾向にあり、今後数十年で大気圏の大部分において完全に回復の見込みと発表した。モントリオール議定書によりオゾン破壊物質の生産・消費が99%減少したことの成果であるが、一方で気候変動が回復を遅らせており、今後も長期的な観測と原因の解明が重要である。「年報」は、そのための最新情報を提供する。
2022年にオゾン全量の年平均値が近年を上回ったのは、熱帯・亜熱帯で、下回ったのは高緯度地帯(特に南半球)であった。2022年の南極オゾンホールの出現は、比較的遅く9月であった。10、11月の規模と深まりは、比較的大きかった。が、出現の遅延と9月初旬のオゾン欠損量の減少は、オゾン層回復の重要な証左と考えられる。出現は、この10年間で約5日遅くなった。
2022年1月のフンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山の噴火で上空に水蒸気が流入し、今後数年、南半球ではオゾンホールの規模・継続期間が長くなると予測される。
【世界気象機関】
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