【EU】2023.06.26 発表
欧州委員会によると、処理済の下水(再生水)の灌漑利用を促進するためのEU規則「水再利用規則」(WRR)の適用が始まった。再生水の灌漑利用を認めていない国などを除いた加盟国に適用される。
同規則には、再生水を灌漑用に安全に利用するための最低限の水質基準や監視要件、リスク管理、水の再利用に関する情報公開などについての規定がある。同委員会は、再生水の安全性を保証し、貴重な水資源を節約して、水の循環利用に対する消費者や農家からの信頼を高めることができ、農作物の栽培能力も維持される、としている。また、水の循環性を高めることは、水界生態系や陸域生態系に必要な水資源の保護に加え、生物多様性の保護や汚染ゼロの実現、気候変動への適応にも寄与すると説明する。
EUでは、再生水として利用された下水処理水は全体の2.4%にすぎない。下水処理水のほとんどを再生利用している国はわずかであり、大多数の国ではごく一部を再生利用しているのみ、または再生利用をしていないことから、水の利用効率を向上させる余地は大いにあるという。
【欧州委員会】
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