【フランス】2023.04.14 発表
フランス政府は環境中のPFAS(ペルフルオロアルキル、ポリフルオロアルキル物質)のリスクに関する報告書を公表した。報告書は環境大臣の下で助言を行う監察機関IGEDDがまとめたもので、PFAS汚染のデータや規制の不足を指摘している。PFASは広範囲に利用されているが、環境中の難分解性、移動性、生物蓄積性のため近年健康への悪影響が懸念されている。
報告書によると、フランスには水(飲用水、未処理水)の管理におけるPFAS規制はなく、産業のPFAS排出規制も不十分でモニタリングデータはないに等しい。土壌や大気中のPFASも規制していない。水中に入ったPFASは通常の水浄化処理では除去できず、できてもPFASの破壊でなく分離にとどまるため、分離後の処理の問題は残る。PFASを破壊するには熱処理しかないが、燃焼温度が不十分な廃棄物焼却施設だとPFASの排出源になりうるという。報告書はさらに多くの研究が必要だとし、研究ネットワークと専門プログラムの立ち上げ、ロードマップ策定などを推奨している。
【フランス環境省】
https://www.igedd.developpement-durable.gouv.fr/analyse-des-risques-de-presence-de-per-et-a3658.html
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