【国際機関】2023.03.20 発表
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は第6次統合報告書を公表し、効果的で実行可能な気候変動緩和・適応策が多数あり、直ちに行動を起こせば住むに適した持続可能な未来を確保できると強調した。
しかし、世界の気温はすでに産業革命前と比べ1.1℃上昇。熱波や豪雨など異常気象の頻度・強度が増大、温暖化が進めば水・食料不安が高まり、パンデミックや紛争と重なれば更にリスク管理が難しくなる。気温上昇を1.5℃に抑えるには2030年までに排出量をほぼ半減させる必要があるが、これまでの対策や現行計画では不十分だという。
報告書では特に、脆弱な人々や生態系が受けている損失と被害に着目し、気候正義の重要性を強調。解決策は気候変動に強い開発にあり、健康や公平性など幅広い恩恵をもたらす形で適応策と緩和策を同時に進めることが必要だが、気温が上昇するにつれ困難になるため、今後数年の判断が未来を決定すると指摘。気候行動の加速には何倍もの資金が必要であり、各国政府による公的資金投入や投資家への明確なシグナル発信が重要だという。
【気候変動に関する政府間パネル】
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