「持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル」（オーシャン・パネル）は、パナマでの第8回会合においてメンバー国17ヶ国首脳の共同声明を発表した。声明は、持続可能な沿岸・海洋観光産業振興のために必要な取組を提起するもの。沿岸・海洋観光産業は世界の観光GDPの半分を占め、特に小島嶼開発途上国や臨海諸国にとって重要な経済部門であるが、気候変動や生態系の変化などの環境要因に左右され、近年ではCOVID-19の影響を大きく受けた。一方で環境へ及ぼす影響も大きい。また、地域社会は利益の正当な配分を受けていない。声明は、次の取組を提言した。
・リジェネラティブツーリズム（再生を推進する観光）への投資で不平等を解消
・問題解決を優先する観光経営計画の策定
・地域・先住民社会を支援
・自然を活用した解決策による観光インフラ整備
・下水道・廃棄物処理施設の整備
また、各国政府と業界に対し、協力体制の強化、観光産業の海洋・気候・生物多様性の交渉テーブルへの参加、変革を支援する投資の増強などを要請している。
【世界資源研究所】