【国連】2023.02.14 発表
国連食糧農業機関(FAO)は、報告書「草地の土壌炭素の全球アセスメント」を発表した。世界の草地の土壌炭素のベースライン貯蔵量(2010年時点)を計算し、適正な管理が行われた場合のCO2隔離能力を推計した。適正な管理を20年行い深度30cmまでの土壌有機炭素(SOC)を0.3%増加させると、ヘクタール当たり年0.3トンの炭素が固定されるという。
草地は、世界のSOCの20%を貯蔵している。全般に炭素収支は正であるが、東アジア、中南米、赤道以南アフリカでは負で、収支を反転させるため適正な管理とそのためのインセンティブが必要である。草地は放牧に利用されることが多く、輪牧、計画放牧などが収支改善に役立つ。報告書は、マメ科植物の植栽により、家畜の健康・収益を改善するとともに草地の炭素貯蔵能力を向上させたウガンダとケニアの事例など優良事例をあげている。
計測が困難なSOCは、国別気候目標の項目に入っていない。報告書は、SOCを評価する今回の成果は、研究の深化と国別目標への計上への契機となるとしている。
【国連食糧農業機関】
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