【国連】2022.12.21 発表
国連食糧農業機関(FAO)は、強乾燥地帯に位置する大都市における植樹が、人口急増に伴うさまざまな課題への対応に有効であるとする報告書を公表した。カイロ、メキシコシティ、ニューデリーといった巨大都市も含め、世界の大都市の約35%は乾燥した地域に建設され、20億人が暮らしている。これらのスプロール化する乾燥地の過密都市は、その拡大に伴って社会・環境・経済面でのリスクに直面している。自然資源が乏しくインフラも貧弱なため、気候変動に起因する極端気象の影響に対してきわめて脆弱な場所になっている。報告書は、都市の緑化によって大気温と建物の温度の抑制、大気の浄化、炭素の隔離、土壌と水の質の向上が実現した事例を引用し、乾燥地において適正な緑化戦略を都市開発に組み込むことで人口増加による影響を相殺できることを示した。そのためには、地域の環境と都市景観に適した植樹や緑化の計画と管理、地域社会の関与と当事者意識の強化、政府による強力な政策や保全などが必要だとしている。
【国連食糧農業機関】
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