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【国連】2022.12.05 発表

国連食糧農業機関、黒色土の保全を訴える初の報告書を発表

国連食糧農業機関(FAO)は、2022年の世界土壌デー(12月5日)に際し、土壌に関する初の報告書「全球の黒色土の現状」を発表した。食料の95%は、直接間接に土壌が生みだす。特に、肥沃な黒色土は2億2300万人を養い、世界の食料安全保障に不可欠である。また、黒色土は気候変動対策に寄与する。地表面積の5.6%を占めるにすぎないが、地球上の土壌有機炭素量(SOC)の8.2%を保持し、SOC隔離能力の10%を担う。世界の黒色土地帯は、ロシア、中国、南北アメリカに広がる。黒色土面積の31%が耕地に転換されたが、残りは草地と森林である。生物多様性と土壌有機炭素の確保のため、これら未耕作の黒色土の保全が重要である。だが、黒色土の果たす重要な役割は、土壌中の有機物の消失で脅かされている。耕地への転換と転換後の耕作法の誤りにより、当初含まれていた有機物は20~50%失われた。報告書は、黒色土保全のため、次の2つの取組を提言する。
1)草地・森林等の自然の植生の保全
2)耕起を最小限にする保全耕起など持続可能な土壌管理の実施
【国連食糧農業機関】

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