【EU】2022.11.09 発表
欧州環境庁(EEA)は、気候変動の影響が欧州市民の健康などに与える影響について論じた報告書を公表した。報告書は、熱波などの高温と感染症の問題に焦点を当てており、熱波については、気候関連で最大の直接的な健康上の脅威だとしている。高齢化や都市化を背景に社会的弱者が影響を受けやすくなっているほか、職業安全衛生面にも影響があることから、対策となる行動計画の策定や都市の緑化、建物設計の改善、労働時間の調整などの適応策を早急に講じる必要があるという。感染症については、気候の影響を受ける感染症の増加が新たな脅威になっている。気候条件が病原菌やマラリアなどの媒介生物に好適となり感染リスク地域が広がったり、人や物の移動に伴って感染症が大流行したりする危険性がある。報告書は、媒介生物や疾病の監視が早期警戒システムの開発や保菌種の防除、ワクチン接種に役立つとみており、気候変動に起因する健康上の脅威に適応するには早期警戒システムの整備が不可欠であることや、公衆衛生部門が十分な備えをすることの必要性を指摘する。
【欧州環境庁】
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