【研究機関】2022.11.02 発表
世界気象機関(WMO)は、「ヨーロッパの気候の現状2021」を発表した。2021年の年平均気温は史上6~10位に入る高温で、夏季に熱波が各地を襲い、8月11日にイタリアのシチリア島でヨーロッパの過去最高を更新する48.8℃を記録した。気温は1991~2021年に10年あたり0.5℃のペースで上昇した。これは世界平均の2倍以上、WMOの6地域区分(極域は含まず)の中で最速である。9月のヨーロッパ極域の海氷面積は、1981~2010年平均より37%少なく、9月の史上最小値であった。アルプスの氷河は、1997~2021年に氷厚が30メートル減少した。夏にグリーンランドの最高地点で史上初の降雨をみた。降水量は、中部・東部で平年よりわずかに多く、イベリア半島とアルプスでは、2~3年連続して平年より少雨であった。2021年の気象・気候災害の被災者は50万人以上、被害額は500億ドルを超えた。夏季にフランス、ギリシャ、トルコ等各地で多発した林野火災で、2006~2020年平均の3倍以上の面積が焼失した。
【世界気象機関】
https://public.wmo.int/en/media/press-release/temperatures-europe-increase-more-twice-global-average
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