【国際機関】2022.10.27 発表
国際エネルギー機関(IEA)は「世界エネルギー見通し2022」を公表した。この中でIEAは、ロシアのウクライナ侵攻を発端とする世界的なエネルギー危機が、持続可能で安全保障が強化されたエネルギーシステムへの移行を加速させ得るとの見方を示し、初めて、世界の化石燃料需要が2020~2030年代にかけてピークを迎えるとのシナリオ分析を示した。各国の現行政策に基づいたシナリオによると、世界のクリーンエネルギー投資は2030年までに現在の5割増しになる。石炭や天然ガス、石油の需要は順次頭打ちになる又は減少に転じ、化石燃料全体の需要は2020年代半ばから2050年にかけて漸減する。それでも世界の平均気温は今世紀末までに産業化以前と比べ約2.5℃上昇する。報告書は、今日の危機は世界のエネルギーシステムの脆弱性を知らせていると警鐘を鳴らし、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出を実質ゼロとするためにはエネルギー投資を大幅に増やす必要があることなどを論じている。
【国際エネルギー機関】
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