【研究機関】2022.10.11 発表
世界気象機関(WMO)は、年次報告書「気候サービスの現状2022年版」を発表した。今回の焦点は、エネルギー部門における気候サービスの重要性である。気候変動による気温上昇・降水パタンの変化は、エネルギーのインフラ・生産・供給に大きな影響を与え、エネルギー安全保障を脅かす。
2020年の統計では、世界の電源の87%は大量の水を必要とする火力・原子力・水力で、多くは水ストレスの高い地域に立地する。沿岸地域の原子力発電所は、海面上昇・洪水被害もリスクである。需要急増、電線凍結等は大規模停電をもたらす。
再生可能エネルギーによる発電は従来型より水を必要とせず、水ストレスの緩和に役立つが、立地・操業・維持管理は気象・気候の影響を大きく受ける。
再エネ発電へと向かうエネルギー部門において、リスク回避・安全保障のために気候サービスは今後一層重要性を増す。一方、エネルギー部門に特化した情報を提供しているのは、WMO加盟国の半数以下である。報告書は、活用事例を多く掲載し、気候サービスの普及・向上を求めている。
【世界気象機関】
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