【国連】2022.07.21 発表
国連食糧農業機関(FAO)は、畜産部門における家畜の健康改善措置を通じた温室効果ガス(GHG)排出削減効果を定量化して各国の気候コミットメントに盛り込むための方法論的ガイダンスを提示した。これによると、家畜の健康改善はGHG排出削減に寄与するが、現在は一般に、定量化のための標準的な手法がなく、こうした削減効果は各国のGHGインベントリや国別約束(NDC)に盛り込まれていない。効果を算定するには詳細なアプローチが不可欠であり、各国は国レベルで測定・報告・検証(MRV)システムを構築する必要があるという。FAOは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示している手法のうち、飼料や家畜の生産性等の経時変化に伴うGHG排出量を算定できる手法(Tier2以上)を用いることが必須だと論じており、データの収集・整備体制を確立する、飼料消費量や牧草地利用、エネルギー消費等の変化による間接的な排出削減量を知る、バリューチェーン全体への影響を把握するなどのために官民挙げた能力向上等も必要だと指摘する。
【国連食糧農業機関】
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