【国際機関】2022.06.30 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、報告書「原子力発電と安定的なエネルギー移行」を公表し、原子力発電は再生可能エネルギー中心のエネルギーシステムへと安定的に移行するのを助ける重要な役割を果たし得る、と論じた。報告書によると、原子力発電を利用する国では、輸入化石燃料依存の低減やCO2排出量の削減、太陽光・風力発電の比率を高めた電力システムの構築が可能である。原子力発電抜きでは、2050年までに世界のエネルギー部門の温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロとすることは難しいという。一方でIEAは、燃料価格の高騰やエネルギー安全保障上の懸念を背景に、原子力発電が脚光を浴びつつある現状に言及しながらも、同発電の成否は政府と原子力産業にかかっていると指摘する。政府は、原子力発電所の安全で持続可能な運転を確保し、発電所建設や技術開発に向けた資金を動員するための断固たる政策を実施すること、業界は、コスト超過やプロジェクト遅延の問題に対処して原子力発電に競争力を持たせることなどを課題として挙げている。
【国際エネルギー機関】
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