【研究機関】2022.04.21 発表
世界気象機関(WMO)は、2022年4月中旬に南アフリカを襲った極端豪雨について報告した。被害の集中したクワズールー・ナタール州では、4月11~12日に24時間雨量200~400mmを記録した。死者443人、多数の行方不明者を出し、4万人が家を失った。交通、通信、水・電気等インフラが破壊され燃料や食料の供給網は断絶し、産業と市民生活は大きな被害を受けた。アフリカ最大規模の港、ダーバンの損壊は、アフリカ経済全体への波及を懸念させる。南アフリカ政府は、国家災害事態宣言を宣言した。
南アフリカ気象庁は、寒冷な切離低気圧の存在とインド洋南部からの大量の暖湿流を含む低層の海洋性気団の滞留があいまって極端豪雨となったとし、気候変動との関係については、短期の気象現象の一つを長期的変動に帰することはできないが、全球で極端気象は確実に頻度と強度を増しつつあるとする。IPCC第6次評価報告書も、南部アフリカ東部域においてはすでに大雨と関連する洪水の強度と頻度が増しており、今後もこの傾向が継続すると予測する。
【世界気象機関】
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