【EU】2022.02.03 発表
欧州環境庁(EEA)は、欧州における天候・気象関連の経済的・人的損害について分析したブリーフィングを公表し、1980~2020年の40年間に極端気象によって4500億~5200億ユーロの経済損失が生じ、8万5000~14万5000人の死者が出たと報告した。さらに、経済損失のうち保険の支払対象となったのは3分の1に満たず、極端気象の約3%が経済損失の60%に相当する損害を及ぼしたという。また、経済損失の度合いは国によって大きく異なることや、死者の85%以上が熱波によるもので、特に2003年の熱波による死者数は同40年間における天候・気象に起因する死者数の50~75%に相当することも判明した。ただし、2003年以降に起きた同様の熱波では、各国で様々な適応策が行われたため死者数が大幅に減少したという。EEAは、災害リスクを軽減し災害に対する強さを備えるうえで気候変動への適応は不可欠だと指摘し、保険の適用範囲を広げることも重要な金融リスク管理手段のひとつになり得ると言及している。
【欧州環境庁】
Copyright (C) 2009 ECO NAVI -EIC NET ECO LIFE-. All rights reserved.