【アメリカ】2021.12.15 発表
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、アメリカ気象学会誌の特集「気候視点で解明する2020年の極端気象現象」を紹介した。収録された18篇の論文の多くは、2020年のアメリカ南西部の干ばつ、2019~2020年冬のロシア北西部の記録的高温と多雨、2020年5月の西ヨーロッパの熱波、2020年のシベリアの森林猛火など、気候変動が発生と悪化に寄与した事例を示す。西ヨーロッパの熱波のような現象は40倍、2020年のシベリアのような気象条件は1世紀前より最大80%、発生可能性が上昇したという。一方、気候変動により、2020年4月の中国北東部で発生したような寒波の可能性は最大80%低下したとする論文、2020年6~7月の長江流域の春季多雨の可能性は半減したが異例の大気循環のため結果として豪雨となったとする論文などは、気候変動による特定の極端気象の発生リスク低下を示す。
同誌は、2011年の極端現象に関し特集して以来毎年このテーマを特集する。掲載の200編のうち76%は極端現象と気候変動の関係を特定している。
【アメリカ海洋大気庁】
https://www.noaa.gov/news-release/report-climate-change-contributed-to-some-of-2020s-worst-weather
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