【国連】2021.10.20 発表
国連環境計画(UNEP)などは、パリ協定の目標の達成に必要な化石燃料の生産削減と主要生産国15ヶ国の石炭、石油、ガス生産計画との差異(生産ギャップ)を分析し、「生産ギャップ報告書2021年版」をまとめた。これによると、2030年の世界的な化石燃料生産量は、温暖化を1.5℃に抑えるために必要な水準を約110%上回る2倍以上になるとみられる。野心的な気候目標を掲げ、温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロを約束する国が増えてはいるものの、生産ギャップの度合いは、初めて報告書が刊行された2019年の分析結果とさほど変わらず、少なくとも2040年にかけて生産ギャップは拡大する一方だという。今報告書は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行が起きてから、化石燃料に対し、対クリーンエネルギーを超える3000億ドル以上の投資が行われてきたと指摘する。生産ギャップを埋めるためには、各国政府も企業も、化石燃料の生産と同燃料に対する支援に関して検証や比較が可能な情報を開示することが不可欠だとも論じている。
【国連環境計画】
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