【研究機関】2021.10.19 発表
世界気象機関(WMO)は、報告書「アフリカの気候の状況2020」を発表した。アフリカの温暖化、海面上昇、氷河後退はいずれも世界平均を上回る速度で進行しているという。2020年は、基礎データによる差はあるが観測史上3~8位以内の高温であった。山岳部の氷河後退も進行し、このままでは2040年代には消滅する見通し。中でもケニア山の氷河はこれより10年早く消滅するという。サヘル、リフトバレー、ナイル川流域、カラハリ砂漠、コンゴ川下流、特に東アフリカでは大水害を伴う多雨であった。一方、ギニア湾北部、アフリカ北西部・南東部、マダガスカルは重度の干ばつに襲われた。
これら悪天候と紛争、感染症、経済危機、サバクトビバッタ被害などが重複し、2020年に飢餓人口は前年より40%増加した。世界で新たに難民化した人口の12%は、東アフリカとアフリカの角地域に集中し、うち災害難民は120万人、紛争難民は50万人であった。
報告書は、水文気象の観測・監視インフラと早期警報システムの整備のための迅速な投資の必要性と効果を強調している。
【世界気象機関】
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