【研究機関】2021.08.24 発表
世界気象機関(WMO)は、人為的な気候変動の影響で欧州西部の洪水発生率が増加したとする分析結果を極端気象現象(豪雨、熱波、干ばつ等)の要因分析を行う国際気候科学者チームが公表したと報じた。
2021年7月、記録的な豪雨が欧州西部の一部地域を襲い、特にドイツのアール川とエルフト川の流域(1日平均雨量93mm)とベルギーのムーズ川流域(2日間の雨量106mm)で発生した洪水で220名以上が死亡するなど甚大な被害をもたらした。科学者らは、局所的な豪雨の気候変動影響を分析することは難しいため、欧州西部の広い範囲(フランス東部、ドイツ西部、ベルギー東部、オランダ等)を対象に、気温が1.2℃低かった1800年代後半と現在の気候を比較・分析した。その結果、気候変動により今回のような豪雨の頻度が1.2~9倍となり、1日の雨量が3~19%増加したことが判明。現在の気候では、欧州西部のどの場所でも今回のような豪雨が約400年に1度発生すると予想され、今後さらに温室効果ガスが排出され気温上昇が続けば頻発化するという。
【世界気象機関】
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