【国際機関】2021.06.30 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、水力電力は優れた低炭素電源で、クリーンエネルギー移行と排出実質ゼロ達成に重要と強調する報告書を発表した。水力電力は、信頼性が高く柔軟に供給でき、潤沢で貯蔵性があり、出力が変動する風力・太陽光エネルギーを補う。世界の水力発電能力は、2021~2030年に17%増加する見込みだが、先の10年間から伸びは減速し始めている。開発余地は大きいが、開発には、計画期間の長期化、許可手続き・環境アセスメントの高コスト・高リスク、地域社会の反対など課題がある。老朽化施設も多く、2030年までの投資の4分の1が老朽化施設の更新に充てられるが、これでも必要額の半分に満たない。報告書は、長期的な水力電力価格の固定制度、開発事業の順法性の確保など政府が取り組むべき7つの優先課題を示し、さらに、水力発電の経済性と長期的収益見通しの提示、投資の誘導を求める。2050年までの排出実質ゼロ達成には、報告書の主要見通しが述べる水力発電の伸びの2倍が必要だとし、いっそうの取組を要請している。
【国際エネルギー機関】
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