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[海外エコニュース一覧]

【イギリス】2021.03.19 発表

イギリス気象庁、気候変動のイギリス農業への影響を予測する研究を発表

 イギリス気象庁は、気候変動が今後30~50年の間にイギリス農業の重要部門である酪農とジャガイモ生産に及ぼす影響を予測する研究を発表した。気温上昇により、乳牛は頻発化・長期化する熱ストレスにさらされ、高温多湿が発生条件となるジャガイモ疫病も多発するという。
 熱ストレスの日数は、現在年2~3日であるが、2051~2070年には平均年1ヶ月となる。特に、主要な酪農地帯であるイギリス西部の北アイルランド、西スコットランド、北西・南西イングランド、ウェールズの熱ストレスリスクの上昇は大きく、北西イングランドでは815%、北アイルランドでは2940%上昇する。
 ジャガイモ疫病の発生はイギリス全土で増加し、特に、イギリス西部と北部の増加が著しい。ジャガイモの主産地であるイギリス東部では、発生リスクの上昇は東スコットランドでは約70%と大きいが、東イングランド、ヨークシャー、東・西ミッドランドでは20~30%の上昇にとどまる。
 予測は、今後100年間で4℃前後の気温上昇を予測する最も高排出のシナリオ(RCP8.5)に基づいて行われた。政府の助言機関である気候変動委員会は、2019年にこの上昇範囲を想定した適応策をとるべきと勧告している。
【イギリス気象庁】

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