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[海外エコニュース一覧]

【研究機関】2020.10.26 発表

世界気象機関、2019年のアフリカの気候状況を報告

 世界気象機関(WMO)は報告書「アフリカの気候の状況2019年版」を発表した。発表によると、アフリカ大陸の2019年の気温は、記録史上上位3位以内であった。海面上昇の世界平均値は年3~4mmであるが、マダガスカルからモーリシャスを含む海域では年5mmを超えた。アフリカ西部では海岸浸食が著しく進行している。また、2019年は、南半球に記録史上最大級の被害をもたらしたサイクロン「イダイ」はじめ気象災害が多発した。南部は干ばつ、一方、拡大アフリカの角地域(アフリカ大陸東端の半島周辺)では2019年末の多雨で洪水と土砂崩れが起きた。サヘルと周辺地域も2019年5~10月に洪水に襲われた。2020~2024年の間、高温傾向は継続し、北部・南部で少雨、サヘル地域で多雨と予測される。
 気候変動は、アフリカ経済の柱である農業を直撃する。最悪のシナリオでは、2050年までに高温ストレスでキビ・アワ・ヒエなどの雑穀類、モロコシ、米、小麦はそれぞれ5%、8%、12%、21%減収する。アフリカ人口の60%、とくに女性が多く就業する農業への投資は、貧困削減と女性の地位向上に寄与し、クリーン技術の利用により有力な気候対策となる。気象・気候サービスへのアクセスの確保も重要である。
【世界気象機関】

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