【国連】2020.10.21 発表
国連環境計画(UNEP)は、地中海地域の環境と開発の現状に関する報告書を公表した。それによると、同地域の社会経済的格差、生物多様性減少、気候変動、自然資源に対する負荷は、取り返しのつかない環境劣化を招くおそれがあるという。同地域には5億1200万人が居住しており、世界有数の観光地でもある。こうした経済活動の環境への影響は大きく、同地域における死亡の15%は防ぐことのできた環境的要因に起因し、2016年に大気汚染による早死は22万8000人に上った。一日730トンのプラスチック廃棄物で汚染されており、1000種以上の外来種が生物多様性を脅かしている。温暖化は世界平均より20%早く進んでいる。報告書は、必要な行動として以下5点を挙げる。
1)環境に有害な補助金の段階的廃止、持続可能な選択肢へのインセンティブ付与、地方行政などの能力構築
2)あらゆる部門における持続可能性の優先化、部門間協力の推進
3)事後措置よりも低コストで効果も高い予防措置の実施
4)予想される環境変化に対する回復力構築
5)法制化と執行の促進
報告書の執筆者は、差し迫る持続可能な開発の必要性を満たしつつも、環境への負荷を緩和する有効な政策対応が緊急に必要だとしている。
【国連環境計画】
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