【国際機関】2020.10.06 発表
世界気象機関(WMO)は、2020年の南極上空のオゾンホールは大きく深かったと発表した。2020年のオゾンホールは8月中旬から急速に拡大し、わずかに増減を繰返しながら10月初めに2400万km2を上回った後、縮小に転じた。現在は2300万km2で、過去10年の平均値を上回り南極のほぼ全域を覆っている。オゾンホールの深まりを示す最低オゾン全量は、10月1日に95ドブソン単位(DU)を記録した。これは、オゾンホールの外部の平常値の約3分の1である。南極域の20~25km上空の成層圏オゾン量は、ゼロ近くまで減少した。オゾンホール大規模化の要因は、強力な極渦が持続し南極上空が低温であったためである。オゾンホールの年ごとの変動は大きく、2019年には異例の小面積を記録した。
モントリオール議定書によりハロカーボン類が禁止されて以来、オゾン層は少しずつ回復している。WMOと国連環境計画(UNEP)による「オゾン層破壊の科学アセスメント」2018年版は、南極全域で2060年までに1980年以前のレベルに回復する可能性があるとしたが、今後も議定書の順守が必要である。
【世界気象機関】
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