【国際機関】2020.03.24 発表
世界気象機関(WMO)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で経済活動が失速し局地的に大気質の改善もみられるが、主要観測所のCO2濃度値はこれまでのところ前年より高いと報じた。今回の景気後退が大気中の温室効果ガス(GHG)濃度に与える影響を評価するには時期尚早だという。イギリスの気候関連情報局「Carbon Brief」によると、中国では都市封鎖と経済活動の縮小により4週間でCO2排出が約25%減少。また、中国とイタリアで都市封鎖中に二酸化窒素(NO2)濃度が大幅に減少したとの測定結果もある。しかし、基準観測所のマウナロア観測所(ハワイ)、グリム岬観測所(タスマニア)における2020年2月のCO2平均濃度はともに前年を上回った。世界のGHG平均濃度は2018年に過去最高を記録し、暫定値によれば2019年は更に上昇した。ターラスWMO事務局長は、過去の経済危機では回復後に排出が急増したが、その軌道を変える必要があると指摘、気候行動とGHG排出削減でもCOVID-19封じ込めと同様の結束と決意を示すよう呼びかけた。【世界気象機関】
Copyright (C) 2009 ECO NAVI -EIC NET ECO LIFE-. All rights reserved.