【EU】2018.10.26 発表
欧州環境庁(EEA)は、EUの温室効果ガス(GHG)排出の動向と予測に関する年次報告書で、2017年にEUのGHG排出量は主に輸送部門の排出増により若干増加した(前年比0.6%増)とする暫定値を報告した。2017年の排出量は1990年比では21.9%減だった。2020年までに1990年比20%削減という目標は達成できる見込みだが、2030年までに1990年比で40%削減という新目標を達成するには緊急に対策を強化する必要があるという。
報告によると、2017年に排出が増加した主な原因は、石油の消費増加による道路輸送部門の排出増にある。EU域内排出量取引制度(EU-ETS)では、固定排出源からの排出量は前年比0.2%増だった。一方、EUの「努力を共有する規則」の対象である非ETS部門(輸送、建築、農業、廃棄物など)の排出は主に道路輸送部門の排出増により3年連続で増加した。
新目標に向けた進捗状況は大半の加盟国で不十分で、現行の国の政策では2020年以降、ETS部門・非ETS部門ともに削減が減速すると予測される。2030年のEU全体の排出量は、現行の緩和策では1990年比30%減、現在計画中の緩和策を追加しても32%減に留まり、努力共有規則に基づく国別の2030年目標を達成できるのは6カ国のみだという。【欧州環境庁】
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