【フランス】2018.09.20 発表
フランス生物多様性庁(AFB)は、地中海沿岸のアンティーブ湾・岬およびレラン諸島付近で、海洋生態系を修復するため、海底に沈んだ2万5000本の古タイヤを引き上げる作業に着手した。この海域は、多様な生息地と希少種を含めた生物の豊かな海域としてEUの自然保護区ネットワークであるナチュラ2000の一つに指定されている。タイヤは約30年前に人工の礁となるよう沈められた。しかし波や海流によって海底に散乱しており、関係者の協議や科学的評価により、当初の目的であった漁業への効果はなく、海洋生息地の保全に反するものと判断された。2015年には試験的に2500本のタイヤが引き上げられ、この作業の技術面、環境面での実行可能性が検証された。今回、規模を拡大し2020年までの2年で、約2万5000本に上るタイヤを回収し、生態系の働きと自然の状態を復活させるとともに、生物多様性の回復のためのパートナーシップも築くという。アルプ=マリティーム県議会やアンティーブ市、地域の漁業養殖委員会などのほか、ミシュラン企業財団が支援する。【フランス生物多様性庁】
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