【国連】2017.09.24 発表
水銀に関する水俣条約の第1回締約国会議が2017年9月24~29日にスイスのジュネーブで開催される。これに世界150カ国以上が参加し、同年8月に発効した同条約の実施に乗り出す。
水銀は人々の健康と環境に極めて有害な神経毒物だが、毎年何千トンも大気や土壌、水に排出されている。その主な排出源は、手作業で行う小規模な金の採掘や石炭の燃焼等の人間活動である。人々は、毒性と生物濃縮性の高いメチル水銀で汚染された魚等の摂取で曝露するほか、作業中の接触や水銀蒸気の吸入で元素水銀や無機水銀に曝露する。水銀曝露は、脳や心臓、腎臓、肺などに長期的な害を及ぼす可能性があり、特に胎児や乳幼児に有害である。水銀は主に、小規模金採掘と塩化ビニルモノマー製造で使用が続いており、この2つの用途で世界の水銀需要の60%以上を占める。小規模金採掘では、世界70カ国以上の鉱山労働者1400万~1500万人が水銀に曝露している。
条約では、水銀のライフサイクル全体に及ぶ規定を設けており、石炭燃焼等による水銀の排出抑制、新たな水銀採掘の禁止と既存鉱山の段階的廃止、水銀の貿易抑制、小規模金採掘等における水銀使用削減などに取り組む。【国連環境計画】
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