【EU】2017.04.11 発表
欧州議会の環境委員会は、食品の廃棄量を減らすための対策を欧州委員会に求める報告書を全会一致で採択した。EUでは年間8800万トンの食品が廃棄されているが、この分の生産と廃棄によるCO2の排出は1億7000万トン、資源の消費は2億6100万トンとされる。このため報告書では、食品の廃棄量を2025年までに30%、2030年までに50%削減するよう求めている。
食品廃棄の大半は小売や消費の段階で起きるとされる。報告書は、現行税制が食品寄付を妨げているとし、食品の寄付に対する免税を明示的に認めるEU共通付加価値税制の改正を求めた。また、多くの消費者が「賞味期限」と「消費期限」の違いを正確に理解していないことが食品廃棄の一因とし、こうした食品表示や消費者教育に関する協調的な政策対応も促した。欧州困窮者援助基金(FEAD)が食品寄付の収集、輸送、保管、配布の費用を提供することも考えられるという。こうした対策に当たっては、食品の日付表示の一部廃止で市民の健康や環境へのリスクがないかどうかの評価を実施する必要があるが、それにより、現在の食品安全保障基準を損なうことなく食品寄付の増加や食品廃棄の削減につなげることが期待できるという。【欧州議会】
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