【国連】2016.10.20 発表
国連環境計画(UNEP)は、徒歩や自転車などの非動力系交通手段(NMT)のための安全なインフラの重要性を示した新たな報告書を公表した。NMTは温室効果ガスや汚染物質を排出せず、安価で柔軟性もある重要な交通手段である。しかし事故の危険が大きく、世界の年間交通事故死者数約130万人のうち、49%が歩行者か自転車・オートバイ使用者だという。一方、自動車はこうした事故の原因となるうえ、CO2や大気汚染物質の排出も多い。自家用車の台数は今後も急増するとみられ、事故や排ガスによる死亡・健康被害のほか、気候変動を助長するCO2の排出量増加も懸念される。今回の調査ではNMTインフラへの取組状況を、アフリカ、アジア、中南米の中低所得国20か国で調査した。交通事故死者数のうち、歩行者と自転車使用者の比率が特に高かったのは、マラウィ、ケニヤ、南アフリカ、ネパールなど。UNEPは、1)国と地方自治体のNMT政策を早急に立案・実施、2)輸送関連予算の少なくとも20%を、歩行者・自転車利用者用インフラに充当、3)NMT利用者(特に女性、子供、高齢者など)の現状を調査、4)MNTに自家用車と同等の重要性を認め推進することを提言している。【国連環境計画】
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