【国連】2015.12.08 発表
国連環境計画(UNEP)は、2100年までに地球の気温上昇を2℃に抑えるために必要な排出削減量にはまだ道半ばであるとする「2015 Emissions Gap Report」報告書の完全版を公表した。
報告書では、各国が2015年10月1日までに国連気候変動枠組条約に提出した119の約束草案(INDC)について評価し、こうした各国の削減努力で2030年に予想される排出量からCO2換算で最大11ギガトン(GtCO2e)を削減できるとしている。しかしそれでも、2100年までに気温上昇を2℃未満に抑える可能性が高いとされる排出水準(2030年時点で42 GtCO2e)のほぼ半分程度で、気候変動の悪影響は今後避けられないと予想される。
アヒム・シュタイナーUNEP事務局長は、各国の排出削減への努力は経済の脱炭素化の方向に向けた歴史的な一歩だとしつつも、安全水準とされる2℃目標を達成するにはまだ不十分であり、「必要な削減量とのギャップを解消するため、パリ合意では削減目標や気候資金を一定間隔で上方に調整できるようなダイナミックなアプローチを採ることが不可欠だ」と述べた。【国連環境計画】
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