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[海外エコニュース一覧]

【国連】2015.07.29 発表

国連環境計画、ボルネオの土地利用変化によりオランウータンの生息地が大幅に減少と報告

 国連環境計画とイギリスのリバプール・ジョン・ムーア大学は、「大型類人猿保全計画」(GRASP)と共同で、ボルネオ島における森林の大規模な農地化(主にアブラヤシ)によりオランウータンの生息地が分断・減少しているとする報告書を公表した。
 マレーシア、ブルネイ、インドネシアの3国が領有するボルネオは、過去20年間の森林減少率が世界的に極めて高い。現在、ボルネオの野生オランウータンの生息数は約5万5000頭とされ、単独行動する習性と繁殖率の低さから、特に森林減少の影響を受けやすく、絶滅の危機にある。
報告書では、土地利用の変化および気候変動のシナリオを用いて、オランウータンの生息地への影響をモデル化した。その結果、現行の土地利用政策のままでは、両要因の複合的な影響により、2080年には現在の生息地の80%以上が消滅する可能性があるという。このため今後の対策として、1)優先するオランウータン個体群・生息地の早急な特定・保護、2)主要な生息地をつなぐ緑の回廊の設置、3)ヤシ油など作物のための持続可能な農地化への転換、4)REDD+など森林保護計画の取組推進、等を提言している。【国連環境計画】

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