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[海外エコニュース一覧]

【国連】2015.02.13 発表

生物多様性条約事務局等、生物多様性の保全は人々の健康向上に寄与と報告

 生物多様性条約事務局と世界保健機関(WHO)は、生物多様性の保全と持続可能な利用が人々の健康の向上に寄与することを示す報告書「Connecting Global Priorities: Biodiversity and Human Health」を発表した。これは、国際生物多様性センターなど多機関の協力を得て作成されたもので、生物多様性と健康との広範かつ複雑な関連を示す事例(水・大気質、食料、感染性・非感染性疾患、医薬等)を提示している。その主な事例は次の通りである。
・生物多様性は食料生産(作物、家畜、養殖魚等)の基盤であり、その遺伝的多様性は、食料生産の改善や、現在・将来のニーズへの適応に重要である。
・人間の生存に欠かせない体内微生物は、環境中の微生物との相互作用により健全性を維持している。環境中の生物多様性の減少等は、人間の微生物多様性を損ない、免疫機能に障害をもたらす可能性がある。
・生物多様性は病気の発生と複雑な関連があり、人間がもたらす生態系の変化・劣化(景観の改変、集約農業、抗菌剤の使用等)は、感染症拡大のリスクを高める可能性がある。
報告書では結論として、健康向上と生物多様性保全に向けた国家政策に両者のつながりが反映されるよう分野横断的な戦略を立てることを提案している。【生物多様性条約事務局】

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