【アメリカ】2011.01.05 発表
アメリカの科学者らは、世界の漁業は地域の共同管理により持続可能なものにすることができるとする研究報告を発表した。海洋・淡水の両生態系を含め、対象魚種や漁具も多様な世界44カ国130カ所の共同管理漁業について調査した結果、地域の漁業者が積極的に関与している共同管理漁業はうまく管理されていることが多く、生態学的、社会的、経済的な相互作用についてきちんと理解し、管理責任を分担することにより、生態系と漁業者の双方に持続可能なメリットがもたらされることが判明したという。このような管理漁業では、政府と漁業者が共同で資源の維持責任を負う。統計分析によると、共同管理の成功要因は、人望のある地域リーダーと社会的結束、明確なインセンティブであり、管理技術を押し付けるより、地域のリーダーを見出し、社会関係資本を構築するほうが重要だという。またこの研究は、共有財産は良好に管理されないとする従来の通念を覆すもので、共有資源の利用者は往々にして賢明な利害対立処理方法を編み出すという。研究者は、この研究成果が世界の持続可能な漁業管理能力の拡大を示すものと評価している。【アメリカ国立科学財団(NSF)】
http://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=118328&org=NSF&from=news
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