【アメリカ】2009.09.25 発表
アメリカで、1950年~1978年頃に建設・改修された建物のコーキング材(窓周りや石造りの建物等の隙間に詰めるもの)に、有害なPCB類が含まれていた問題について、アメリカ環境保護庁(EPA)は、建物の所有者や学校の経営者に対し、PCB類への曝露を減らすよう求める対策を発表した。
PCB類は人工的な化学物質で、環境中に長く残留し、免疫システムや神経系、生殖機能などに影響を及ぼし、ガンを引き起こすおそれもある。建設資材や電気製品に広く使われていたが、アメリカでは、1976年に議会が製造・ほとんどの利用を禁止。1978年までに段階的に廃止されたが、それ以前に建設・改修された建物のコーキング材には高い濃度のPCB類が含まれている可能性があり、空気やほこり、表壁等を通してPCB類を摂取するおそれがある。
ただし、EPAでは、問題は深刻だが、建物の中にあるPCB類については、それほど不安になる必要はないとしている。また、古い建物の所有者に対しては、できる限り曝露を減らすため、空気ダクトを掃除する、窓を開けて風通しを良くする、頻繁に掃除して建物内のほこりを減らす、濡れ雑巾やモップで表面を拭く、PCB類を含むコーキング材の近くで、はたきなどを使わないようにする といった取り組みを行うよう勧めた。
さらに、剥がれたり、欠けたりしたコーキング材についてPCB類が含まれているかテストし、量が多かった場合にはコーキング材を取り除くよう勧告。建物の所有者・管理者に対し、空気中のPCB濃度をチェックし、EPAの示している健康基準を超えている場合には、室内の換気を改善し、PCB類への曝露を最小限に食い止める対策をとるよう求めた。
EPAでは、PCB類を含むコーキング材のリスクについて、新たに調査を実施し、長期的な対策や対策の優先順位を検討する方針だという。【EPA】
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