人類が築いた高度で文化的な生活は、資源によって支えられている。しかし、長年にわたって地球の資源を使い続けてきた人類は、いま、資源について真剣に考えなくてはならない時を迎えている。
使えば補うことができない石油や石炭などの化石燃料の問題、森林資源の減少に伴う地球規模の環境問題など、人類がこれからも持続的な発展を続けていくためにはこのような問題を解決しなくてはならなくなった。
地球の資源には限りがある。特に多くの資源を海外からの輸入に頼っている日本は資源の無駄使いをすることはできない。
資源の埋蔵量を年間の生産量で割った数値を「可採年数」という。たとえば石油の可採年数は45年、天然ガスの可採年数は64年となっているが(*註)、これらの数字は、もしこのままのペースで資源を採掘した場合、その年数で無くなってしまうかもしれないということを意味している。
そこで、このような枯渇してしまう危険性のあるエネルギー資源に替えて、主に太陽エネルギーをもとにした再生可能なエネルギー資源の開発・実用化が急がれている。
再生可能なエネルギー資源には、太陽光・熱や、風力、バイオマス、波力など太陽エネルギー起源のものの他、地球の地下に貯えられたマグマ熱を利用する地熱エネルギー、月と地球の引力を利用する潮汐エネルギーなどがある。
これらのエネルギー資源は、化石燃料などに比べると、枯渇性の心配がないこと、資源量が多いこと、政治的な駆け引きによる供給途絶の心配がないこと、環境への負荷や影響が小さいことといった特徴がある。一方で、エネルギー密度が低いことや、地域や時間に依存して変動するため安定的な供給が現在の技術や社会体制のもとでは難しい場合が多いなど、実用化に向けてはまだまだ課題が多いことも指摘されている。
(*註)可採年数は、ある時点における確認埋蔵量と年間生産量から計算しているため、新たな鉱脈・油田の発見や採掘技術の進歩、あるいは年間生産量の変化に伴って変動する。日本は石油の99.7%(1998年)を輸入に依存している。
化石燃料に依存したエネルギー資源は、将来的また政治的にも安定的な調達・供給に対して不安があることがオイルショック以降の危惧としてあった。このため、エネルギー政策的に供給源の分散・多角化がめざされてきた。
一方で、化石燃料の使用が地球温暖化など環境問題に対して甚大な影響を及ぼすことが指摘されるなど、環境配慮の観点からも非化石燃料への移行が求められる。
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