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野生生物種の減少

野生生物種の減少の現状

現在、科学的に明らかにされた野生生物種は約175万種程度である。しかし、推計によると地球上に存在する種の数は300万種~1億1100万種に及ぶ(UNEPによる推計)といわれている。
特に熱帯雨林は陸地の面積の7%程度を占めるにすぎないにもかかわらず、未知の種を含めれば半数以上が存在すると考えられている。この熱帯雨林が急激に減少する危機に瀕していることなどから、野生生物種の減少が極めて深刻化している。
例えば、次のような推計がある。

  • 熱帯林の減少により今後25年間に4~8%の生物種が絶滅するという試算もある。
  • また、N.マイヤースの推計では、種の絶滅の速度が以下のようになっている。
区分種数/年
恐竜時代0.001
1600~1900年0.25
1900年1
1975年1,000
1975~2000年40,000

絶滅のおそれのある種の現状
絶滅のおそれのある種の現状
(環境白書 環境庁)

 

野生生物種が減少することによりどのような影響が考えられるのだろうか。直接的には、

  • 生物資源(食料として、燃料として、衣料品として、医薬品として、装飾品として、etc.)、遺伝子資源の減少
  • 観光・レクリエーション資源の減少

などがあげられる。しかし、もっと根本的な問題として、野生生物種の減少(生物多様性の喪失)が進むことにより、密接に関わり合った様々な生物種の相互関係により成り立っている地球環境が崩壊し、人類の存続そのものが危うくなることが心配される。
しかも、すべての生物種は生態系というシステムの中でそれぞれ重要な役割を担っているが、人類はその仕組みをすべて理解しているわけではない。また、全ての生物種は一度絶滅すると再び人間の手では(少なくとも現在の技術では)作り出すことはできない。


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