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【企業】2011.12.14 発表

住友林業、岩手・陸前高田で津波から残った「希望の松」の後継樹育成に成功

 住友林業と、グループ企業で緑化事業を手掛ける住友林業緑化は、岩手県陸前高田市の松林で東日本大震災の津波から1本だけ生き残った「希望の松」と呼ばれる松の後継樹育成に成功した。接ぎ木と種子から苗ができ、これらを育てて遺伝子を残し、震災復興に貢献する。松は海水に長時間つかっていたため根が腐り、枯死が避けられない状態になっている。

 希望の松は、アカマツとクロマツが交配したアイグロという品種で、樹齢は200年以上。「奇跡の一本松」とも言われ、7万本の松を誇る名勝「高田の松原」で他の松がすべて消えたなか、ただ1本残り、復興に向けた希望の象徴となった。住友林業グループは同市などの要請を受け、この松を救うとともに後継樹を育成するプロジェクトに参画し、4月から取り組んできた。

 この松の枝を採取し、接ぎ木、挿し木、組織培養などクローン増殖による育成を行ったところ、挿し木と組織培養は途中で枯れたものの、接ぎ木で3本のクローンの苗ができ、順調に育っている。同時に、樹の上に残っていた松ぼっくりから種子を採取して育てる方法も試み、18本の苗を得ることができた。この結果、合わせて21本の苗の育成を実現した。

 苗の育成には、住友林業グループが持つ苗の生産技術や、歴史的に貴重な桜などのクローン増殖技術を応用した。今後、育成に成功した21本の苗から希望の松の遺伝子を引き継ぐ苗木を育て、復興の象徴にしたい考えだ。近年、松の名木の保護や増殖の依頼が増えているといい、住友林業グループは今回の成功を機に、挿し木など木を増殖する技術の開発を進める。【住友林業(株)】

プレスリリース

http://sfc.jp/information/news/2011/2011-12-14.html

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