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【国際機関】2020.01.07 発表

オーストラリア、2020年当初も先例のない激甚山林火災やまず

 世界気象機関(WMO)は、2019年から続くオーストラリアの激甚山林火災について報告した。2020年第1週、ニューサウスウェールズ州とビクトリア州を含むオーストラリア南部と東部では、40℃を超える高温と長引く無降雨、強風があいまって火災は激甚化した。これまでの死者は28名を超えた。大気汚染と煙害はオーストラリア本土を超えて拡大しており、2020年1月2日に、清浄なはずの南太平洋で大気中CO濃度の世界最高値を観測した。火災による大気中へのCO2放出は、これまでに4億トンという。煙は、1月6日にはアルゼンチンとチリに達した。2019年12月発表の「オーストラリア毎季山林火災予報」は、火災の頻発と激甚化、火災シーズンの早期化と長期化の傾向は明らかとしている。
 2019年、オーストラリアは、火災発生の危険性の極度に高い気象条件、すなわち極端な高温と乾燥を経験した。2019年の平均気温は1961~1990年の平均を1.52℃上回り、史上最高を記録した。12月19日には各地の最高気温の平均値が41.9℃と史上最高を記録し、南オーストラリア州ナラボーで49.9℃を記録するなど高温記録が相次いだ。2019年の降水量は277.6mmと史上最低を記録した。高温少雨の要因の一つに、インド洋ダイポールモード現象(IOD)が極めて強かったことがあげられるが、2019年発表の「2018年のオーストラリアの気候の状況に関する報告書」は、気候変動の影響を指摘している。【世界気象機関】

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