【地方自治体】2019.07.10 発表
北アルプスに生息する国の特別天然記念物のライチョウについて、長野県環境保全研究所(長野市)などの研究グループは、地球温暖化の影響で生息に適した環境が今世紀末にはほぼ消失する恐れがあるとの予測をまとめた。研究論文は、英科学誌「BMCエコロジー」電子版(7月10日付)に掲載された。
環境省によると、国内のライチョウは北アルプスや南アルプスなどの高山帯に分布している。推定生息数は、1980年代に計約3000羽だったが、2000年代には計2000羽弱に減少したとされ、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。
長野県環境保全研究所と森林総合研究所、高知大、東京農大の研究グループは、北アルプス中南部を対象に、ライチョウの分布と餌、営巣場所となる高山植物との関係性に基づき、生息に適した環境が地球温暖化の影響によってどのように変化するか予測した。
世界の平均気温が2081~2100年に現在より約2~4℃上昇すると想定した場合、生息に適した環境は、高山植物の減少により現在の0.4%にまで減少すると予測した。
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