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【企業】2017.09.29 発表

川崎重工など、風力発電電力を一部水素にして熱エネルギーに活用する実証事業を開始

 川崎重工業は、風力発電で発電した電力を一部水素に変換して熱エネルギーに活用する新たなシステム「パワー・ツー・ガス」の実証事業を11月下旬に北海道苫前町で始める。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、豊田通商、NTTグループでエネルギー・建築関連事業を手掛けるNTTファシリティーズなどと実施する。

 風力発電の利用率向上を目的にする。苫前町の風力発電所「夕陽ヶ丘ウインドファーム・風来望」で9月29日に開始式を開いた。出力変動が大きい風力発電で安定して売電できる電力量を予測し、模擬的に売電して電力系統を安定化させる。併せて、有効活用が難しい不安定な電力をいったん水素に変換して輸送・貯蔵し、燃料として利用する。

 2015年2月から実証試験の計画立案や設備の設計・製作、性能検証を進めてきた。今回、設備を稼働させてシステムとビジネスモデルを実証する。NTTファシリティーズが開発した風力発電量予測システムによる翌日の風況・発電量予測に基づき、安定して供給できる電力量と水素製造向けの不安定電力を、川崎重工業の制御システムで計算する。

 そのうえで川崎重工が開発した水電解装置を使って水素を製造する。水素は、水素添加装置でトルエンと反応させ、MCH(メチルシクロヘキサン)を生成して需要先に陸上輸送する。需要地では脱水素装置でMCHを水素とトルエンに分離し、水素をLPG(液化石油ガス)と混焼して熱に利用する。豊田通商は実証の代表企業で事業性を分析する。

【川崎重工業株式会社】

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