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リモートセンシングは、人工衛星や航空機に搭載したカメラや走査装置(スキャナ)などのリモートセンサーを用いて上空から電磁波エネルギーを測定し、その分光特性から電磁波を発する対象が何であるかを推定する技術です。すでに植生分布、火災による焼失面積、焼き畑による森林喪失面積、地表温度などがこのリモートセンシングにより観測され、改めて地球規模での環境破壊の様子などが明らかにされています。
南アジアの降雨依存農地の砂漠化の進行は、耕作限界地域での不適切な耕地の拡大、過度な機械使用および土地保全対策の欠如などに原因があり、土壌の肥沃度の低下や土壌構造の悪化を引き起こしています。砂の移動や農地への侵入は、砂の多い平地や砂丘で起こっており、水食は傾斜地で増加していることが報告されています。このように、土壌の肥沃度の低下や水食の増加はこの地域の砂漠化の一般的な形態であり、スリランカやデカン高原等の焼き畑農業地帯において顕著です。この原因は人口の激しい増加にともなう焼き畑サイクルの短縮や耕作不適地の開墾です。
亜酸化窒素(N2O)は、二酸化炭素(CO2)の約310倍の効果を示す温室効果ガスです。N2Oの排出量は、土壌や海からの自然起源が多いですが、過去40年間で増加した大幅な原因には農業活動が挙げられます。農業での窒素肥料の使用や、家畜からの堆肥製造などがN2Oを急激に増加させているほか、化学工業による排水、化石燃料の燃焼などの人間のさまざまな活動も、N2O濃度の上昇に関係しています。
地球温暖化の最大の原因は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの大気圏内での濃度の上昇によるものです。温室効果ガスは、太陽照射により暖められた地表から出る赤外線を吸収し、熱エネルギーとして大気圏内に蓄積する働きをもっています。この温室効果ガスが確実に増加しています。温室効果ガスの大気圏内での濃度が減少すれば、地球はどんどん宇宙空間に熱を放出して冷え、温暖化の傾向を抑えることができます。
大気中の二酸化炭素は化石燃料を消費し始めた産業革命以降、徐々に増加しつつあります。1750年以前から2022年現在に至る約270年の間に大気中の二酸化炭素濃度は278ppmから417ppmに増加しており、およそ50%の増加になっています。年間にすると平均0.51ppmの増加です。先進諸国をはじめとする各国による二酸化炭素排出量の削減努力や世界金融危機の影響などによる低減効果もみられた一方で、新興経済圏における排出量の急増などもあって、全球的な二酸化炭素排出量は増加傾向が続いています。
森林の大規模な破壊が今後人類にどんな影響を及ぼすのか、まず第一に考えられるのは気象への影響です。森林伐採により、樹木が貯蔵する二酸化炭素が大気中に放出されます。樹木は伐採された瞬間から、三重の意味で二酸化炭素増加の原因となります。それは、(1)二酸化炭素の固定能力が減少する、(2)燃やされて二酸化炭素を放出する、(3)土壌中の有機物が分解されて二酸化炭素の発生源となることによるものです。
また、森林には大気を浄化する作用や、生物の生息地として生態系を保全する機能も備えています。
熱帯林が減少する直接的な原因は、商業的な用材の伐採、農地や放牧地への転換、焼き畑耕作などが挙げられます。商業的な用材の伐採は、先進国の木材需要を満たすため、市場価値の高い5%ないし10%の樹種を選択して伐採しますが、搬出用の道路の整備など伐採や搬出にあたり残る樹木の2分の1以上に被害が及ぶといわれています。また、搬出用道路を使って焼き畑耕作の新規参入者が入り込み森林に火を放つため破壊を加速することになります。
サンゴが成長すると、サンゴ礁などとして炭酸カルシウムが蓄積されます。これを二酸化炭素の固定とみるか、海洋中に溶解しているカルシウムの析出と見るかで、二酸化炭素の増減についての関係が逆になります。植物性プランクトンの光合成による有機物をサンゴが固定したとみれば二酸化炭素の減少に寄与することになり、海洋中の炭酸カルシウムからのカルシウムの析出したものであれば、逆に二酸化炭素を空中に放出していることになります。
メタン(CH4)は、人為的な気候変動に対して二酸化炭素(CO2)に次ぐ寄与を持つ温室効果ガスです。二酸化炭素だけでなく、メタンなどの気体は、地表から逃げていく赤外線を吸収し、地球の平均気温を高める温室効果の作用があります。メタンの温室効果は二酸化炭素の約28倍、一酸化二窒素は約310倍、フロンガスは数千~1万倍といわれており、温暖化を防止するためにはこれらの発生も抑制する必要があります。
資源エネルギー庁の「エネルギー白書2022」によると、世界の石炭の確認埋蔵量は1兆741億tで、これを2020年の石炭生産量で除した可採年数は139年とされています。つまり、いまのペースで採取し続けると、約140年後には枯渇するというわけです。
しかし、採掘量が増加すると可採年数は短くなり、新たな炭田の発見や技術革新等によって採掘可能な埋蔵量が増加すると可採年数は長くなります。世界的に資源の枯渇や地球温暖化が問題視されているため、再生可能エネルギーの利用を増やすなど、化石燃料の消費を削減することで、可採年数は変動する可能性があります。
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