ZEH

[ ゼッチ ]

解説

ZEH委員会による「ZEH」の定義としては、定性的には「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」とされる。この定義には、「年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナス」となる狭義のZEHのほか、「年間の一次エネルギー消費をゼロに近づけた住宅」であるNearly ZEH、「ZEHを志向した先進的な住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた住宅(都市部狭小地に建築された住宅に限る)」であるZEH Orientedを含めた定義となっている。

一方、定量的な定義(判断基準)では、狭義のZEHの場合、?ZEH強化外皮基準(地域区分1-8地域の省エネルギー基準を満たした上で、UA 値[W/m2K]が1・2地域は0.40以下、3地域は0.50以下、4-7地域は0.60以下)、?再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減、?再生可能エネルギーを導入(容量不問)、?再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減の4つすべてに適合した住宅とされている。

日本におけるZEHの始まりは、2010年に行われたエネルギー基本計画の見直しに向けた検討にさかのぼる。その後、2012年より経済産業省が支援事業を開始した。2015年に設置されたZEHロードマップフォローアップ委員会では、エネルギー基本計画に掲げられた2020年のZEHの普及の目標実現に向けて、ロードマップの策定等に取り組んだ。2020年に当時の菅内閣総理大臣による2050年カーボンニュートラル宣言を受けて、2030年度以降に新築される住宅についてZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指すことが位置付けられた。 (2023年4月改訂)

詳細解説

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