REDD
[ レッド ]
REDDは、開発途上国における森林の破壊や劣化を回避することで温室効果ガス(二酸化炭素)の排出を削減しようとすること、またはそのプロジェクト。言い換えれば、炭素が森林やその土壌に固定された状態を保つことで森林伐採による大気への炭素の排出が起こらないようにすることである。日本語で、「森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減」とも言う。
これによって排出削減できた炭素量は、再生可能なエネルギー源を使用することで発生する炭素削減クレジット、あるいはエネルギー効率の改善で発生する炭素削減クレジットと同じとみることもでき、カーボンオフセットなどに利用することも考えられる。このタイプの排出削減プロジェクトは生態系保護に役立つとともに、生態系が提供する機能の対価を支払うこと(PES)を促進するものとの評価もある。
2006年のスターンレビューでも、世界の温室効果ガス排出量(2000年)の18%が土地利用変化によるもので、その原因は途上国における森林の過剰伐採や農地への土地利用転換だとしている。また、その排出量は運輸部門よりも多く、森林減少の防止が地球温暖化防止対策における費用対効果の高い方法だと指摘している。
また、気候変動枠組条約の第11回締約国会議(COP11、2005年)でREDDが初めて議題とし取り上げられ、COP13(2007年)では締約国がREDDの取組を支援するとともに、CDMの方法論に関する議論を開始することを決めた。