REACH規則

[ リーチキソク ]

解説

数多くの化学物質による健康・環境へのリスクを体系的に評価し、これを適切に管理することに向けた、EUの地域レベルの取り組みのひとつ。

アジェンダ21において、「有害かつ危険な製品の不法な国際取引の防止を含む有害化学物質の環境上適正な管理」などが謳われたことに端を発している。その後、1998年にEU環境理事会にて、化学物質に関する域内の規制と情報の欠如について懸念が提起され、REACH規制が具体的に進展するきっかけになった。2006年12月13日に可決されたあと、2007年6月1日に発効され、段階的な施行されている。

既存化学物質・新規化学物質という従来の規制の枠組みを超えた登録等の制度を始め、事業者へのリスク評価の義務付け、流通経路を通じた情報伝達、製品に含まれる化学物質対策といった新しい考え方が盛り込まれている。具体的には、1)新規化学物質だけでなく、既存化学物質についても登録(安全性情報を含む)、2)原則、事業者ごとに登録等(個別事業者の取扱い量によって規制レベルが異なる)、3)特定の有害性物質は原則として使用禁止(認可されれば特定用途での使用可能)、および4)化学物質を含む製品(成型品)の製造・輸入者に対しても、含まれる物質について登録や届出などについて義務付けが明確化されたことに加えて、安全性評価の義務を規制当局から産業界に移管したことが挙げられる。さらに、使用を制限されるべき物質(欧州化学庁より部分的に公示済み)については、同庁の承認が必要になる。

詳細解説

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